世界の片隅より愛を込めて

30代主婦、(技術的)底辺プログラマーの緩い日常。

居なくても迷惑をかける男4

仕事を早退する当日。

仕事帰りに私は警察署に赴いた。


面会にあたり、住所と名前、続柄などを記入して、小さい部屋に通された。

ドラマと同じように、透明の壁越し、真ん中には丸い穴の空いた空気穴だか通話穴だか…。


思わず状況も忘れ、

「すっげ…」と呟いてしまった(笑)


入って来た旦那は、意外と小綺麗にしていた。

髭剃ってるんだ(笑)と最初に思った。


面会時間は15分。

私は一般人なので、面会時間にしか会えないし、時間も制限されているし、面会中は警察が同席する。

これが弁護士だと全然違うらしい。


とにかく。

私が与えられた時間は15分。


何を話すか、時間が足りるのかとちょっと思ったが、そんなことを心配する必要はなかった。

元旦那からは何も聞けなかったからだ。

何をやってこんなことになったのか。

いつ出られるのか。

全て「弁護士の先生に連絡してくれ」だった。

あとは「申し訳ない」「子供たちに会いたい」

それを繰り返すばかりだった。


帰ってからふと思った。

あの人は「子供に会いたい」とは言うが

「元気か」とか「生活に支障はないか」とか

こちらの状況を気にすることはなかったな、と…。


居なくても全く問題なかったんだけど、

それをわかっていたから聞かなかったのか、それともやはり自分のことしか考えられない人だったということなんだろうか。